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JB23ジムニー6型|ブレーキキャリパーをオーバーホールしました 部品交換、耐熱塗装、サビ落としの方法やコツを紹介
ジムニーJB23のブレーキキャリパーをオーバーホールしました。
今付いているブレーキキャリーパーを取り外してオーバーホールしたかったのですが、別途中古品を購入しオーバーホールした後に取り替えることにしました。
キャリパーの洗浄やサビ落とし、塗装等も行うと、どうしても作業に数日かかりそうです。
土日だけではおそらく終わらないと思うので、日常の足が無くなるのも、通勤に支障が出るのも困ります。
ということで、中古の安いキャリパーを購入し、気が済むまできれいにしてオーバーホールしていきます。
ちなみに作業時間の大部分がサビの除去でした(笑
今回の作業について
中古のブレーキキャリパーをオーバーホールします。
所要時間 約4日 ※サビ除去、塗装、乾燥時間あり
作業難易度 ★★☆☆☆
使用した主な工具
10mmレンチ
12mmレンチ
17mmレンチ
トルクレンチ
タガネ
ハンマー
インパクトレンチ
インパクトレンチ用金属ブラシ
保護メガネ
グローブ
交換部品・消耗品について
ブレーキキャリパーシールキット
・シリンダースライダーブーツ ×8
・ピストンブーツ ×2
・ピストンシール ×2
・ブリーダープラグキャップ ×2
キャリパーピストン ×2
ブレーキパッド ×2
純正部品番号:55200-81A31
シリンダースライダー8番(青色)×2
純正部品番号:55192-61G51
シリンダースライダー9番×2
純正部品番号:55192-61G01
パッドサポートNo.1 ×4
純正部品番号:55234-60B00
パッドサポートNo.2 ×4
純正部品番号:55235-60B00
ブリーダープラグ ×2
純正部品番号:55151-78451
KURE ラストリムーバー for PRO
ブレーキパッドグリス
耐熱塗装スプレー
ブレーキクリーナー
締め付けトルク
キャリパーピンボルト 22N・m{kgf・cm}
バンジョーボルト 23N・m{230kgf・cm}
ブリーダープラグ 11N・m{110kgf・cm}
キャリパーキャリアボルト 85N・m{kgf・cm}
ブレーキキャリパーオーバーホールの手順
- ブレーキキャリパーの分解
- ブレーキキャリパーの清掃
- ブレーキキャリパーの塗装
- ブレーキキャリパーの組立て
- 作動チェック
ブレーキキャリパーの分解
これが今回オーバーホールするブレーキキャリパー。メルカリで送料込みで4000円也。
ブレーキフルードにまみれていたので、一旦表面をブレーキクリーナーで洗い流しました。
ブレーキパッドのシムも欲しかったのですが、今回買ったものにはついてないですね。
キャリパーの下側や、キャリパーキャリアが強めに錆びてます。
4型についていたキャリパーのようですので、年式考えれば良い方だと思います。
サンドブラストを持っていないので、金属ブラシを使ってサビを落とす予定なので、かなり時間かかりそうです。
さて、早速バラしていきましょう。
キャリパーピンボルトを抜いて、キャリパーキャリアを分離させたらスライドピンを引き抜きます。
再利用できるかなと思い、傷つけないように慎重に抜きましたがサビサビでした…。
新品に交換します。
2本のキャリパースライドピンは同じものではなく色違いになっていて、径が微妙に違います。
スライドピンのブーツは、亀裂はないのですが固くなってます。
変形したまま戻らないようなので新品に交換します。
次はピストンを抜きます。
エアツールを持っていないので、ピンボルトをバンジョーボルトを外し、ねじ穴から適当なボルトをいれ、体重掛けて地面に押し付けて抜きました。
もう片方のピストンは固着しているようでびくともしないので、貫通ドライバー差し込んでコンコン叩いて外しました。
露出したピストンを確認すると、しっかり錆びてました。
錆でえぐれているのでピストンも新品と交換します。
ピストンブーツも外します。ブーツを押さえる金属製のC型のリング状の部品も忘れずに。
写真は内側の方です。サビがすごい…。
ピストンブーツをはめ込む溝は錆びまくりですが、シリンダ内に錆びがなかったので助かりました。
ここでシリンダ内のピストンシールも取り外します。
一通り分解完了。基本的にはボルトで緩めるだけなのでバラすのは簡単です。
ちなみに、写真にピストンシールを入れるのを忘れてました…
さて、つぎは洗浄とサビ落としです。
ブレーキキャリパーのサビ落とし
さて、サビ落としていきますか。
浮いているサビは、タガネやマイナスドライバーでひたすら削り落としました。
あとはインパクト用のブラシでひたすらサビを削り落とします。
粉塵が出るのでマスク、そしてちぎれたブラシの金属の毛が頻繁に顔面に飛んでくるので保護メガネ必須です。
結構な勢いで飛んでくるので眼球に当たると刺さると思います。
ブラシがずれると手に当たるので、怪我防止のために手袋もお忘れなく。
回転している金属ブラシが手に当たると皮膚が削れて本当に痛いです。
一番手こずったのがキャリパーキャリアのサビ。
サビが頑固すぎて、タガネで削ってもブラシで擦ってもなかなか落ちません…
観念して、ラストリムーバー買ってきました。
前からどの程度の効果があるのか気になっていたので丁度良かった。
ペットボトルにキャリパーキャリアいれてラストリムーバーを全量注入。
入れた直後から、サビと反応してガスがブクブク発生してました。
強い匂いが出るので外でやったほうが良いですね。
反応が収まり銀色の地肌が出てきたところで取り出して、上下を入れ替えて再度放置。
若干サビが残っているものの、素晴らしい分解力ですね。
何をやっても茶色のままだった表面が銀色になりました。
もう1本新品のラストリムーバーに漬け込めば残ったサビも完全除去できそうですが、あとはブラシで落とせそうです。
初めて使いましたがこんなに効くとは思いませんでした。
最初から使ってれば作業時間は3分の1くらいに短縮できたかも。
サビ落とし系のものは大体1300〜1500円くらいなイメージので、変なサビ落としで同じ金額払うならラストリームーバーが断然おすすめです。
数日にわたり空いた時間でひたすら磨いて、ようやくキャリパーとキャリパーキャリアのサビ落としが完了。
写真で微妙に残るサビも、このあと磨いて完全になくしました。
結構しんどかった…。
マジでサンドブラスター欲しくなります。
ブレーキキャリパーの塗装
せっかく丁寧にサビを落としたので、防錆効果を期待して耐熱スプレーで塗装します。
色はブレーキローターと同じ金色。
私の妄想によると、ホイールの隙間からチラ見えするシャンパンゴールドのキャリパーで、おとなしい印象の私のジムニーが最高にかっこよくなる予定。笑
穴の中に塗料が入らないようにマスキングしました。
厚塗りにならないように注意しつつ、2回に分けて全体を塗装しました。
塗料が風に流されて、奥まったところが塗りにくい…。
風がない日にすべきでした。
奥まったところに塗料がうまく届かずに、若干垂れたりしたけど気にしないことにします。
色合い的には落ち着いた淡い金色で大変満足です。
24時間以上乾燥させた後、対流式ストーブで1時間ほど焼いたら完了。
温かいうちは塗膜が柔らかく、ぶつけると傷になるので要注意です。
ブレーキキャリパーの組み立て
今回使う部品たちはこちら。
ピストンとシールキットはミヤコ製で、他は純正です。
ブレーキホースを固定するバンジョーボルトとキャリパーピンボルト以外は新品部品に交換する予定です。
シールキットの中身はこんな感じです。
キャリーパーで使用する樹脂パーツが全て揃っています。グリス付きなのも嬉しいですね。
ブレーキキャリパーの部品構成を全部並べるとこんな感じです。
では、早速組み立てます。
スライダーブーツにグリスを塗布します。
はめ込む溝にも念のため。
シリンダースライダーブーツを左右それぞれ片方だけ取付けます。
シリンダースライダーにグリスを塗布します。シリコングリスがなくなったので付属のラバーグリスを多めに塗っておきました。後日シリコングリス買って塗布しておく予定です。
ちなみに、シリンダスライダーピンにリチウムグリスは使わ内容が良いです。
ゴムや樹脂を劣化させます。
シリンダに挿入します。
向かって左側のシリンダが青いスライダー(8番)です。
シリンダスライダーを差し込みます。
スライドピンを奥まで押し込んで、もう一方のブーツをはめ込みます。
シリンダスライダーの溝にブーツをはめ込んだら取り付け完了。
次はピストンシールの取付け。
ピストンシール全体にグリスを塗布。
ピストンシリンダ内の溝に取付けます。
ピストンブーツにグリスを塗布。
ピストンにもグリスを塗布します。
ピストンの挿入はエアを吹き込みながらブーツにピストンを入れる方法がありますが、エアツールを持ってないのでピストンにブーツを先につけてから取付けることにします。
ピストンにブーツをはめ込みます。
ピストンをシリンダに差し込みます。この際にキャリパーとシリンダでブーツを挟んで傷つけないように注意。
ピストンが少し出ているくらいまで押し込んだら、ブーツを溝にはめます。
C型のリングを差し込めるくらいの隙間が出来るまでピストンを押し出し、ブーツを伸ばします。
ワイヤの先端でブーツを傷つけないように注意しながら、ぐるっとはめ込んでいきます。
マイナスドライバで抑えながらリングをはめ込みます。この際もピストンブーツにキズをつけないように注意。
工具無いのでドライバーでやりましたが、本来は先端が丸いものでやったほうが良いと思います。
リングがしっかりハマっているか、後ろに見えにくいところもよく確認しました。
一番奥までピストンを押し込んで、ブールの蛇腹がきれいに畳まれれば正しく取付け出来ています。
一部が膨らんだりしているなら内部に余分な空気が入っているので、ピストンとブーツの間にツール差し込んで空気を抜くと収まります。
ちなみにこのブーツにピストンを入れる方法はネット上に様々な方法が紹介されていますのでやりやすい方法を選ぶのが良いと思います。
ブリーダープラグの取付け。
キャリパー交換の際のエア抜きで緩めるので、軽く締めておくくらいでOK。
2枚のワッシャーと共にバンジョーボルトの取付け。
こちらもブレーキホースを繋ぐ際に緩めるので軽く締めておくだけでOK。
ブリーダープラグのキャップを忘れていました。
キャリパーキャリアにパッドサポートの取付け。
取付け予定のブレーキパッドは車に取り付け済みなので、キャリパーを交換する際に交換します。
キャリパーピンボルト全体にグリスを塗布。
ちなみにリチウムグリスはゴムや樹脂を劣化させるので使わないほうがよいです。
先程のピンボルトでキャリパーキャリアにキャリパーを取付けます。
キャリパーピンボルトの締め付けトルクは22N・mです。
これでブレーキキャリパーの組み立ては完了です。
サビまくりだったブレーキキャリパーがピカピカに生まれ変わりました!
動作の確認
ピストンやシリンダスライダーがスムーズに稼働するかや、部品が正しく取付けられているかを確認してオーバーホール完了!
サビ落としが本当に大変でしたが、ピカピカになって大変満足!