JB23ジムニーのナックルオーバーホール&ハブベアリングの交換でタイヤのガタツキが完全解消!|必要部品・作業手順の記録

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車検時に指摘されたナックルからのオイル漏れとタイヤのガタツキ。

そろそろナックルのオーバーホールをしようかなと思っていたけど、車検と同じタイミングで発生するとは。

車検の1週間前あたりから、ハンドル切るとちょっと変な音がするなとは思ってたんですが…。

ちなみにタイヤのガタツキの原因としてハブベアリングの摩耗を指摘されましたが、去年交換したばかりなのでノーマークでした。ハズレのベアリング引いてしまったかな…。

オイル漏れは明らかにナックルシールで、タイヤのガタツキの原因はおそらくキングピンベアリングだと思いますので、こちらも交換です。

車屋さんからは、工具がないのでハブベアリング交換ができないと車を返されてしまいました(涙

とりあえず、早急なんとかしないと車検切れで面倒が増えるので、大至急パーツを準備してメンテナンスしました。

目次

今回の作業について

ジムニーJB23W(6型)のナックルをオーバーホール。
キングピンベアリング、ナックルシール、ドライブシャフトシールを新品に交換する。
ついでにハブベアリングも交換。

所要時間 約7時間
作業難易度 ★★★★☆

※作業難易度は私の主観ですので参考程度にしてください。難易度と入っているけど、私的にどのくらい大変だったかで★付けてます。

使用した主な工具

8mmソケットレンチ
10mmソケットレンチ
12mmソケットレンチ
17mmソケットレンチ
19mmソケットレンチ
27mmソケットレンチ
モンキーレンチ
ジムニー用フロントホイールアジャストナットソケット
E型トルクスディープソケットレンチ E10
トルクレンチ ※220Nmまで計れるもの
ロングスピンナハンドル 450mm 差込角12.7mm(1/2″)
穴用・軸用 スナップリングプライヤー
タイロッドエンドプーラー
ドレンプラグソケット10mm (9.5sq)

S字フック 2個
貫通マイナスドライバー
8mmボルト(ブレーキディスク固着剥がし用)
ホイールハブベアリングツール
ワイヤーブラシ
耐水紙やすり#320
フロアジャッキ
リジッドラック(ジャッキスタンド)
ハンマー
インパクトレンチ

交換部品・消耗品について

交換部品
キングピンベアリング(09265-15006):4個
ハブベアリング(43462-84A00/09267-41001):2個
ハブインナーオイルシール(43446-82CB0):2個
ハブアウターオイルシール(09283-54001):2個
ドライブシャフトシール(09283-26016):2個
対策品ナックルシール(45120-81A10/45120-81A04/45120-81A02/45120-81A01/45120-81A00):2個
フリーハブガスケット(43838-82CB1):2個

消耗品など
ギヤオイル 80W-90 GL-5 ※フロントデフは1.7L
液体ガスケット WAKOS ガスケットメイク
リチウムグリース
モリブデングリース
浸透潤滑剤 ラスペネ

締め付けトルク

キャリパーキャリア固定ボルト 85N・m
エアロッキングハブボルト 48N・m
ハブロックナット 220N・m
ホイールナット 95N・m

キングピン取付ボルト 25N・m
ナックルシールカバー 10N・m
タイロッドエンドナット 10N・m
キングピン取付ボルト 25N・m
ホイールスピンドル取付ボルト 50N・m
タイロッドエンド取付ナット 40N・m
ステアリングドラッグエンド取付ナット 40N・m
ホイールナット 95N・m
フィラーボルト 50N・m
ドレンボルト 27N・m

ナックルオーバーホールの手順

  1. ジャッキアップしリジッドラックを設置
  2. タイヤ・ブレーキキャリパーの取外し
  3. ブレーキローターの取外し
  4. エアロッキングハブの取外し
  5. ホイールハブの取外し
  6. ブレーキダストカバーの取り外し
  7. ホイールスピンドルの取り外し
  8. アクスルシャフトの取り外し
  9. ナックルの取り外し
  10. キングピンベアリングのアウターレースを外す
  11. パーツの清掃&確認
  12. ハウジングのオイルシールを交換
  13. ナックルシールのセット
  14. キングピンベアリングを交換
  15. ナックルの取付
  16. ホイールハブの組付け
  17. エアロッキングハブの組付け
  18. ブレーキローターの組付け
  19. ブレーキキャリパーの組付け
  20. タイヤの取付け
  21. 各種チェック

ジャッキアップしリジッドラックを設置

パーキングブレーキを必ずかけてから、ジャッキアップしリジッドラックを設置します。

軽く揺すってみたら、思っていた以上にガクガクしてます。

運転席側のナックルはこんな感じ。じんわりグリースが滲んでる感じでした。

で、こちらが問題の助手席側のナックル。もう、だだ漏れです。

ハウジング内のデフオイルも漏れ出てきてます。

流れ出たオイルやグリースがホイールに垂れてました。

定期的に目で見てチェックしないとだめですね。反省…。

さて、では始めますか。

タイヤをはずしてボディの下に置いておきます。こうすることで万が一リジッドラックから車が落ちても、車体へのダメージを軽減できるし、自分が下に入っているときに落ちても地面と車体の間に隙間が作られるので、大怪我のリスクを少しでも減らせますね。念の為、ハウジングをジャッキで抑えておきました。

とにかくパーキングブレーキは絶対に忘れずにかけておきましょう。

フロントデフオイルを抜く

デフオイルを抜くときは、必ず上側のフィラープラグ、次に下側のドレンプラグの順番で外します。

オイル抜いちゃってから、「フィラープラグが固着して外せない!」なんてことになると、オイルを充填できず車動かせなくなるので。

片側ずつジャッキアップして行えば、デフオイル抜かなくても可能らしいですが、両方一気に作業したいので抜きます。

デフオイルを抜くタイミングは、アクスルシャフトを外す前ならいつでもOKです。

ブレーキキャリパー・ブレーキローターを外す

ブレーキローターとブレーキキャリパーを外します。

キャリパーキャリアのボルトを2本抜くと外せます。

ブレーキホースにストレスがかからないように適当な場所にS字フックで吊り下げておきました。

ブレーキローターは固定されていないので手前に引くと外れますが、固着している場合はネジ穴にM6のボルト入れて回せば剥がせます。

エアロッキングハブの取外し

エアロッキングハブは6本のボルトで固定されてます。

ボルトを緩めるにはE型トルクスレンチ(E10サイズ)が必要。

ちなみにディープソケットでないとハブ本体と干渉して外せないので要注意です。

ガスケットは再利用せずに新品と交換します。

ホイールハブを外す

スナップリングを外します。

ちなみに大きい穴が進行方向。

ワッシャーを外します。

ハブナットを外すためにはまずカシメを起こします。マイナスドライバー差し込んで起こしました。

ハブナットを回すためのSST(専用特殊工具)使って緩めます。

相当硬いので60cmとかのスピンナハンドルがほしいところですね。

今回は時短のためにインパクトドライバで外しました。

外れました。相変わらず相当に硬いです。

ワッシャ外します。

ホイールハブを外せました。引き抜くだけで外れます。

去年ハブベアリングを交換したばかりなのですが、ベアリングを指でまわすとジャリジャリした感触あり。

ハズレのベアリング引いのたかな…

パーツあるので交換しとくか。

ブレーキダストカバーを外す

4本のボルトでオイールスピンドルと一緒に固定されています。

固着してびくともしないのでラスペネを塗布してしばらく放置。頼む、回ってくれ。

無事に外せました。

ホイールスピンドルを外す

続いてホイールスピンドルを外します。液体ガスケットでくっついている状態なので、すぐ取れるんですが、先に2本のホースとABSセンサーを外します。

ABSセンサーはボルト1本で固定されています。

しっかりハマっているので、ドライバーで起こし、出っ張ったところをコンコン軽く叩いて引き抜きました。

ABSセンサー外しました。

ホースは張り付いてて簡単に抜けなかったので、引っ張ってちぎれさせないようにペンチで掴んで回転させて固着を剥がしてから引き抜きました。

ゴミが入らないようにいったん蓋します。

液体ガスケットでくっついているだけなので、プラハンマーでこんこんと叩くと外れます。

ナックルの取り外し

タイロッドエンドを外します。ラスペネ吹いておいてしばらく放置。

ナットが外せました。

叩いても外せるようですが、力加減がわからないのでタイロッドエンドプーラー使って外しました。

バン!という音とともに勢いよく外れるのでびっくりします。

上部のキングピンをいったん緩めておいて、

下側のキングピンを先に抜きます。

手の力では抜けなかったのでモンキーレンチで掴んで回して外しました。

よし、キングピンが取り外せました。

ナックルハウジング内にデフオイルが漏れている場合は、こんな感じでドロドロのオイルが垂れてきたり、下部のキングピンベアリングが落下するので、オイル受けとか地面が汚れないものを敷いといておいたほうが良いです。

ようやくナックルが外れました。

中心が完全にズレてますね。ユルユルのガタガタでした。

ちなみに反対側のキングピンベアリングは、錆びが内部に詰まって回りすらしません。

もうベアリングの機能は果たしていませんでした。

アクスルシャフト(ドライブシャフト)の取り外し

固まったグリースがすごいな。これから清掃すると思うと気が重いですね。

アクスルシャフトは引き抜くだけです。

きたねー、、、

このあと、頑張ってピカピカにしました。

キングピンベアリングレースの取り外し

ナックルハウジング内のグリースを取り除いたら、ベアリングレースを外します。

出っ張りに貫通マイナスドライバーをあてがってコンコン叩くと少しずつ抜けてきます。

サビがすごい。

上側下下側、両方抜けました。

受け側に少し傷つけてしまったので、ヤスリで磨いて軽く均しておきました。

ナックルシールとナックルシールカバーを外します。

これを交換するためにここまでバラすんですよ。

大変だな…。

部品の清掃&チェック

これらの分解したパーツをきれいに洗浄します。結局清掃がいちばん時間かかりました。

基本的には古いグリースと液体ガスケットの除去です。

フロントアクスルシャフトのガタつきのチェック。

接合部を引っ張って、そのズレが1.5mm以内ならOK。

助手席側はガタツキなしでしたが、運転席側は1mmに満たないくらいのガタツキありました。

ちょっと気になりましたが、許容範囲内だしパーツも準備してないのでこのまま利用します。

モリブデングリースを内部にしっかり入れ込んでおきました。

ナックルの球面部分の表面のサビが強くざらついていました。

このままではナックルシールがすぐにだめになりそうだったので、耐水ペーパーで水研ぎして落としました。

サビのあとは消せませんが、手で触っても凹凸を感じなくなるくらいまで磨きグリース塗っておきました。

キングピンベアリングのレースの取付

ベアリングプーラーを当てて、ハンマーで優しくコンコン叩きながら入れました。

斜めになっていると正しく挿入できないのでゆっくり待っすぐ叩き入れました。

下側も同様にしっかり叩き入れたました。

ドライブシャフトシールの交換

ドライブシャフトシールを新品と交換します。

ナックルハウジング内のドロドロした液体は、ここから漏れたデフオイルとグリースが混ざったものです。

結構硬くなかなか外れません。ツール使って力ずくで外しました。

新しいオイルシールを取り付けました。ハンマーの柄で優しく叩き入れました。

ナックルシールとカバーをセット

新しいナックルシールとカバーをセットします。

ナックルの組み立て

キングピンベアリングの内部まで、押し込むようにしてしっかりとグリースを塗り込みます。

キングピンはピンの付け根に液体ガスケットを塗布します。念の為ボルトの穴付近にも塗っておきました。

固定ボルトのネジ山にも液体ガスケット塗布します。

レースにキングピンベアリングを入れて、ナックルをセットしたらキングピンを上下各4本のボルトで固定します。

上側の固定ボルトはエアホースのステーを共締めするのを忘れずに。

締め付けトルクは25N・mです。

ナックルシールとナックルの球面部分にリチウムグリースを塗って取付け。

金属のカバーは切れ目が最上部に来るようにセットします。

外側のカバーはフェルトが付いた対策品を選びました。フェルトが追加された理由はナックル内への砂利等の異物混入を防ぐ目的のようです。

フェルトが付いたカバーは切り欠きのような凹みがある方が上です。この切り欠きがあるため、ナックルの付け根部分との干渉しなようになっています。

ナックルシールカバーの締め付けトルクは10N・mです。

アクスルシャフトを取り付けます。シールを傷つけないようにそっと差し込んで、スプラインが噛み合わさる位置を探しながら奥までしっかり差し込みます。

ナックルのハウジング内にリチウムグリースを入れておきました。パンパンに満たすべきという意見と、内壁に塗り込む程度でよいという意見があったのですが、どっちが正解なんだろう。

スピンドルのハブインナーシールを交換します。

古いシールを外したら、新しいシールを打ち込みます。

接合面のサビが気になったのでサンドペーパーで磨いておきました。

接合面全体に液体ガスケットを塗布します。

セットしたら、プラハンマーでコンコン叩いて密着させ、2本のエアチューブとABSセンサーを元通りに取付けます。

ブレーキダストカバーと一緒に4箇所のボルトで固定。ボルトの締め付けトルクは50N・mです。

タイロッドエンドとステアリングドラッグエンドのナットを固定。締め付けトルクは40N・mです。

ネジ山が錆びていてナットが引っかかり、共回りして締め込むことができず一瞬途方に暮れました…。

インパクトで勢いよく回したら締められました。そのままナットを何度か上下させてサビを削って事なきを得ました。

ハブベアリングの交換

詳細は手順はこちらの記事を御覧ください。↑↑↑

ホイールハブのハブベアリングとシールの交換。

ホイールハブから古いアブベアリングを抜き取ります。

もちろん再利用不可。

サークリップを取り外します。

前回の交換作業と同様にツールを使って抜き取ります。

こんな感じにツールをセット。

車体側をモンキーレンチで抑えて、ホイール側をスピンナハンドルでまわすと力を入れやすかったです。

ひたすら回して、ようやく抜けました。

逆の手順で新しいベアリングを圧入します。

この作業は完全に力技です。本当に油圧の圧入器が欲しくなります…。

後半は叩いて入れたほうが楽でした。

しっかり奥まで圧入されていることを確認し、サークリップを挿入します。

続いてハブアウターシールの挿入。

シールの隙間を埋め尽くすようにグリースを塗り込んで完了。

ホイールハブの取付

ベアリング内側とドライブシャフトにグリースを塗布してからホイールハブを挿入します。

引っかかってうまく入らず、部品間違いや不良品かなと相当焦りましたが、超慎重に少しずつまっすぐ差し込んだら入りました。

良かった…。

ワッシャーいれて、ナットを220N・mで締め込みます。ハブナットのカシメを忘れずに!

ワッシャー入れたらサークリップで固定。

仕上げに、スプラインにグリース塗ってホイールハブの組付けは完了。

エアロッキングハブの組付け

スプラインにグリースを塗ってエアロッキングハブを差し込みます。

ガスケットは再利用不可なので新品に交換です。

ボルト6本で固定します。締め付けトルクは25N・mです。

ブレーキローター・キャリパー・ホイールの組付け

ブレーキローターをセットしたら、ブレーキキャリパーを組み付けます。

キャリパーキャリアの固定ボルトの締め付けトルクは85N・mです。

最後にホイールを組み付けて完了!

ホイールナットの締め付けトルクは95N・mです。

デフオイルの充填

最後にデフオイルを充填します。オイル量は1.7Lです。

1.7Lを量っていれるのではなく、フィラープラグから溢れてくるまで注入すればOKです。

ドレンボルトを締める際は液体ガスケットを塗布します。

締め付けトルクは、フィラーボルト 50N・m、ドレンボルト27N・mです。

ドレンボルトは締めすぎに注意!

各部チェック

タイヤを揺すってみると、ガタツキは改善されました。

遊びだと思っていたグラグラはキングピンベアリングがだめになっていたせいだったんですね。

車を動かす前に、各部に違和感がないかや、ボルトナットの締め忘れがないかを目視でチェック。

サービスマニュアルも手順通りに確認し作業に漏れがないかを確認しました。

ちなみに過去の失敗談として、キャリパーぶら下げたままホイールはめたことあります…。

車動かす前に気が付きましたが危なかったです。慣れてきたときこそ、自分はベテランの作業者でもなく、プロでもないことをしっかり自覚して、より一層注意深く作業すべきだと自分に言い聞かせてます。

今回の作業の感想

走行してみてハンドリングの感覚が明らかに変わったことが体感できました。足元がしっかりした感じというか、ふらふらしない感じ。

ハンドルをセンターにすると、ごく僅かに左に逸れていく現象と、速度に合わせて周期的に鳴っていたカリッカリッという異音もなくなりました。

ナックルからのグリース漏れは、数カ月後にすぐ漏れてきてしまう場合もあるようで、しばらく様子見です。

無事に車検とおり一安心です。

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