JB23ジムニー6型|足回りからの異音を解消!13万km超走行したジムニーのフロントハブベアリング交換 交換の仕方や必要な工具なども紹介

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ある日突然、ブレーキをかけると車輪の回転の周期で、キーキー、シャーシャーというような擦れる異音が鳴るようになりました。

ブレーキパッドの摩耗による鳴きかなと思い、新品パッドを注文。
ついでにブレーキキャリパーのオーバーホールとブレーキローターも交換しておこうと考え必要部品をすべて揃えたところで、、、

ブレーキを踏まなくても、走行時にタイヤの回転周期に合わせてキーキーシャーシャー音が出始めました。
そして、ブレーキを踏んだ際に鳴る音はより激しくなり、歩行者から凝視されてしまう程の音量に…

以前からカリカリ音を発生させていたホイールハブベアリングがとうとう終わったかと。

試しにブレーキパッドを交換してみたところ、当然ながら改善せず。

パッドの残量は6mm程度あるし変な減り方もしてないので、パッドやローターからこれだけの異音が発生しているとは考えにくいわけで。

とうとうその時が来たかと腹を括って、フロントハブベアリングの交換に必要なパーツと工具を揃えて交換しました。

交換作業の工程や注意点をまとめたので、挑戦したい方は参考にぜひ。

CAUTION!

ハブベアリングの交換作業は、ハブベアリングに達するまでに取外す部品が多く工程が多く時間がかかるのと、初めての場合は予想外の事態が発生し、思いがけない時間をとられることも多いかと思います。

当然のことながら完了するまで車を動かせないので、十分な時間の余裕を持って実施することをおすすめします。

また、本記事を読んでもよく分からなかったり、作業の意味や意図がわからない、という場合は整備工場にお願いするのが無難かと思います。

安全に走行する上でとても重要な箇所の整備ですので、ご自身で実施される場合はくれぐれも自己責任でお願いします。

目次

今回の作業について

摩耗したジムニーJB23(6型)のフロントハブベアリングを新品に交換する。

所要時間 約5時間
作業難易度 ★★★★☆

使用した主な工具

8mmレンチ
17mmレンチ
19mmソケットレンチ
27mmソケットレンチ
モンキーレンチ
ジムニー用フロントホイールアジャストナットソケット
E型トルクスディープソケットレンチ E10
トルクレンチ ※220Nmまで計れるもの
ロングスピンナハンドル 450mm 差込角12.7mm(1/2″)
穴用・軸用 スナップリングプライヤー

S字フック 2個
貫通マイナスドライバー
8mmボルト(固着剥がし用)
ホイールハブベアリングツール
ワイヤーブラシ
フロアジャッキ
リジッドラック(ジャッキスタンド)
ハンマー

締め付けトルク

キャリパーキャリア固定ボルト 85N・m
エアロッキングハブボルト 48N・m
ハブロックナット 220N・m
ホイールナット 95N・m

交換部品・消耗品について

フロント用ハブベアリング 2個
純正部品番号:43462-84A00

オイルシール 2個
純正部品番号:09283-54001

エアロッキングハブガスケット 2個
純正部品番号:43838-82CB1

グリス
純正部品番号:99000-25500

パーツクリーナー、ウェス等

フロントハブベアリング交換の手順

  1. ジャッキアップしリジッドラックを設置
  2. ブレーキキャリパーの取外し
  3. ブレーキローターの取外し
  4. エアロッキングハブの取外し
  5. ホイールハブの取外し
  6. 古いオイルシールの取外し
  7. 古いハブベアリングの抜取り
  8. 新品ハブベアリングの圧入
  9. 新品オイルシールの取付け
  10. ホイールハブの組付け
  11. エアロッキングハブの組付け
  12. ブレーキローターの組付け
  13. ブレーキキャリパーの組付け
  14. タイヤの取付け
  15. 各種チェック

ジャッキアップしタイヤを外す

車体をジャッキアップしてリジットラックを設置します。

ロックナットを外す際にとても大きな力をかけるので、ジャッキのみで車体を保持しての作業は非常に危険なのでリジッドラックは必須。

ホイールを縦方向に揺すってガタつきを確認してみたところ、ほんのりカタカタしている感じ。

外したタイヤは車体の下に置いておくとよし。万が一リジッドラックが倒れても、作業者や車へのダメージを軽減できます。

ブレーキキャリパーの取り外し

ブレーキキャリパー、ブレーキローター、エアロッキングハブの順番にはずしていきます。

キャリパーキャリアを固定するの2本のボルトを17mmのレンチで外します。

間違ってキャリパーピンボルトを外さないように注意。

外れました。

外したブレーキキャリパーは、ブレーキホースにストレスを与えないように、S字フックでスプリングなどに吊り下げておきます。

ブレーキローターの取り外し

ブレーキローターは固定されていないので固着していなければ手前に引くだけで外れます。

運良く固着していなかったのですが、サビの影響のせいか途中でハブに引っかかって外れないので、ハンマーで叩いて外しました。

固着している場合は、サービスホールにM8×1.25のボルトを締め込んでいくとパキンッという音とともに固着が剥がれます。

エアハブロッキングを取外す

エアロッキングハブの6本のボルトを外します。

ボルト形状が特殊で星型の形をしています。E10のトルクスディープソケットが必要です。

ちなみにディープソケットじゃないと、ソケットレンチの側面がハブに干渉してうまく回せません。

6本のボルトを抜いたら、エアロッキングハブを手前に引けば外れます。

このガスケットは再利用不可なので取り付ける際に新品と交換します。

ホイールハブの取り外し

フロントアクスルシャフトを押さえるサークリップとスピンドルスラストワッシャを外します。

サークリップをスナップリングプライヤーで外します。

ちなみにスナップリングは取付けに向きがあり、穴が大きい方が右側になるように取付けられています。

取付けの際は要注意ですね。

スピンドルスラストワッシャを外します。マイナスドライバなどで手前に引くと取り出せます。

ロックナットを回すためにカシメを解除します。

貫通マイナスドライバーでカシメを起こしました。

ナットが回れば良いので、このくらいで良いのかなと。

ロックナットを外すにはフロントホイールアジャストナットソケットというSSTが必要です。

純正品は高いので社外製のものを調達。アストロプロダクツで3500円程。

固く締まっているのでスピンナーハンドルを使用します。

220Nmという強い力で締まっているうえに、固着もしているのか全く回りません…。

足で踏んでみてもびくともしない…。

マジか。どうする。

とりあえず固着を少しでも剥がそうと考え、トルクの強いインパクトドライバで衝撃与えたら意外にもあっさり取れました。

手持ちのスピンナーハンドルが450cmしか無いので私はこれで外しましたが、この作業のためにこれからスピンナーハンドルを買うならば600mmの購入がおすすめです。そのほうが強い力をかけやすくなります。

ベアリングとロックナットの間にあるホイールベアリングワッシャを外します。

これは固定されていないので手前に引いて外すだけ。

ハブをゆっくり手前に引っ張り引き抜きます。

これでようやくハブベアリング交換の準備完了!

古いハブベアリングの取り外し

古いオイルシールを取り除きます。マイナスドライバーを内側に差し込んで回転させると外しやすいです。

ベアリングを固定するサークリップを外します。

サークリップのサイズに対してサークリッププライヤーが小さかったので、外すのにかなり苦労しました。

途中で先端が穴から滑って外れてしまうので、なかなかうまく外せません。

なんとか外しましたが、大きなサイズのプライヤーがあったほうが絶対に効率的に作業できます。

分解完了!部品はきれいに清掃しておきました。

ちなみにガスケットとオイルシールは再利用不可です。

ハブベアリングに到達しました。ようやく今回の作業のハイライトであるハブベアリングの脱着作業です。

尚、ハブベアリングは強い力で圧入してあるので簡単には抜けません。

ホイールハブベアリングツールを使って外しました。このツールは抜き取りも圧入も両方できるようです。

耐久性については不明ですが、個人利用ではそんなに頻繁に使うものではないので数回使っても壊れなければ良しと割り切って購入しました。

脱着両方に使えて7000円くらいでした。

ちなみにこういったツールは、名前が「プーラー」なら抜く用、「ドライバー」なら入れる用です。

様々なサイズのアタッチメントがセットになっているので、ベアリングのサイズに合わせてアタッチメントを選んで使います。

今回はこんな感じの組み合わせで使ってみました。

いくつかのパターンを試しましたが、この取り付けが個人的には最も力を入れやすかったです。

ツールをセットするとこんな感じです。写真左側のボルトを締めると右側に抜けます。

ボルトを回すには27mmのソケットレンチが必要です。

あまり頻繁には使用しないサイズですが、幸運にもプロペラシャフトのシール交換の際に買ったサイズと同じだったので新たに買わずに済みました。

片側をモンキーレンチで固定して、ボルトの方を27mmのソケットをスピンナーハンドルで回します。

本当に硬いです…。ここまでバラして、回せないのではないかと不安になるほど硬いです。

600mmのスピンナーハンドル買うか迷いましたが、なんとか回りました。

これはもう完全な力技ですね。汗だくで回してだいぶ抜けてきてます。

ここまで来ると回しやすくなってきす。

あと少し。

ようやく抜けました。間違いなく、明日は筋肉痛だな。

左が新品のハブベアリングで、右が取り外した古いハブベアリング。

意外にも想像していた程のガタつきはないし、回転も違和感ない程度にスムーズに回る印象。

新しいハブベアリングの圧入

ベアリングが入りやすいように、ハブの内側にグリスを塗っておきました。

ハブベアリングに不要はストレスがかからないように、ベアリングのアウターレースに力が加わるアタッチメントを選びました。

締め込む際に斜めに入ってしまうので、最初だけハンマーで軽く叩いて垂直に入るように予めセットしました。

ハブとベアリングの隙間で垂直かどうかわかります。隙間が均一になるように調整します。

圧入の際はホイールハブベアリングツールを取外しとは逆にセットして圧入します。

圧入の際のセッティングはこんな感じです。

最初は小さな力でも回せますが、最後の数ミリはかなり固くて回しにくくなります。

最後はアタッチメントを当てて叩いたほうが圧倒的に楽だし早いです。

ハブとベアリングの間に隙間なく圧入されているかを、しっかり確認し圧入完了。

サークリップを取り付けました。はめるときもプライヤーが小さく本当に苦労しました…。

大きなサイズを買ったほうがよかったです。

ベアリングの隙間にグリスをみっしり詰め込みます。

左右ともにハブベアリングを交換しました。

オイルシールの圧入

(純正品番:09283-54001)

外す際に大きな力を必要としなかったので、入れるときも同じだろうと考え、アタッチメントを当ててコンコンと優しく叩いて入れました。

ハブとオイルシールの段差を指でなぞって、シールがしっかり入っているか確認し、シールの凹部にグリースを塗っておきます。

これでホイールハブの準備は完了。

ホイールハブの組付

ベアリングの内壁にもグリースを薄く塗っておきます。

ホイールベアリングワッシャを取り付けます。

フロントホイールハブアジャストナットソケットを使ってロックナットを取り付けます。

ナットのカシメ位置が同じ場所になるまで締めたら、トルクレンチで220Nmで締めます。

貫通マイナスドライバやタガネ等でカシメします。

スピンドルスラストワッシャの両面にグリースを薄く均一に塗って、フロントアクスルシャフトに差し込みます。

サークリップを取付けます。取り付ける際に溝が見えない場合はスプラインを手前に引いて出してください。

このサークリップは向きがあるので要注意。

穴が大きい方が右側になるように取り付けます。

エアロッキングハブの組付け

エアロッキングハブのガスケットは再利用不可なので新品交換。

エアーロッキングハブボルトの締め付けトルクは48Nmです。

注意点は、いきなり1本目のボルトを締め込まないことと、隣のボルトを順に締めないこと。

★を描くときのように対角に位置するボルトを順に締めます。

一旦30Nm程度でトルクレンチで全体を締めてから、同じ順番で締め付けトルクの48Nmで締めました。

ブレーキローターの組付け

ブレーキローターは固定されていないので差し込むだけ。

ブレーキキャリパーの組付け

キャリパーキャリアを元通りに組み付けます。

キャリパーキャリア固定ボルトの締め付けトルクは85N・mです。

タイヤの取付け

最後にタイヤを取付けたら完了です。ホイールナットの締め付けトルクは95N・mです。

上下に揺すって確認したところ、交換前に感じたガタツキはなくなっていました。

タイヤを回転させた際の異音もありません。

消えない異音…

無事にハブベアリング交換を終え、試しに走ってみたところ…

1分ほど走ったらキーキー音復活…。

納車時から気になっていた周期的なカリッカリッていう異音は消えたのですが、キーキー、シャーシャー、キュルキュル音はそのままで、相変わらず非常にやかましいです(T_T)

まじか、何故だ?

ブレーキでもなく、ハブベアリングでもないなら、どこなんだ?

運転しながら窓開けて注意深く確認しても、やはり変わらずフロント右から盛大に異音がなってます。

もしかして、ホイールかな…?

フロントのタイヤをジャッキアップして手で回転させてみたところ、ブルンブルン歪んでますね。

止まっているとわからないんですが、回転させると明らかにわかるほど歪んでました。

これだな。

原因判明、そして問題解決

もらった鉄ホイール付きスタッドレスを1年履き潰して、手持ちのスタッドレスタイヤを延命させようと目論んで付けてたんですが理由はこれでした。

別なホイールに付け替えたら、異音は嘘のように収まりました。

単純にホイールが歪んでて大きく偏芯してるので、速度が上がるとベアリングにタイヤの周期とともに変な力がかかり、音が鳴っていたというわけです。

色々と勉強になったのと、ずっと鳴ってたカリカリ音は消えたので良しとします。

念のため買った、ブレーキキャリパーオーバーホール用の部品一式と、新品ローターが手元に残ったので時期を見て交換しようともいます。

というわけで、ようやく足周りの異音問題から開放されましたとさ。

めでたしめでたし。

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